大切な人へ
「私は去年出たしダメだったからいい」
紗羅がそう言うと3人の視線がささる
『私やだよ!3人とも私を推さないでね!?』
それだけは絶対にイヤ‼
カタログとかポスターなんて恥ずかしい‼
当日まで見世物みたいになるし
紗羅もかなり男の子に声かけられてたし...
必要以上に男の子と話すのは
やっぱり抵抗がある
去年は私がすごく嫌がったから
投票で僅差だった紗羅が出てくれたんだ
でも今年は紗羅にも上田くんがいるしな...
その後ラブラブの2人は
一緒に勉強するって言って帰っていった
残った井川くんと私は
下まで一緒に帰ることに
「はぁ...」
『どうしたの?ため息大きすぎー』
並んで廊下を歩いてたけど
井川くんが浮かない顔してる
「明日の試験の数学、自信ないんだよな」
そういえば前から数学苦手って言ってた
『どのあたり?』
「____と____のとこ」
とだるそうに答える
『不安なとこ分かってるなら大丈夫だよ
今から教えるから図書室いこ!』
「まじで?助かるわ~」
数学担当の先生に教科書やらを借りて
わかるまで付き合った
_________
試験も終わり、返却されて来る
私は夏休みの成果が出て
今までで一番いい順位を取った
『井川くん数学どうだった?』
「まじでありがと!」
そう言って見せてくれた解答用紙は
80点で私が教えたところは全て正解!
嬉しそうに言ってくれて私も嬉しい
でも教えたらすぐ出来てたけどね
『すごい!やればできる子!』
「その言い方やめろ 笑 お前は?」
そう聞かれたので100点の
答案を見せてピース!
「うわー... お前何番だったの?」
私はこれだった。ともう一度ピース
「は!?2番?」
『シー!!』
彼の声が大きすぎて焦る私...
結局みんなに聞こえてしまい
私の順位は公表されてしまった
「今更だけど...なんでここにいるんだ?
そのレベルだったら特進クラスだろ。普通」
『...いいでしょ別に』