大切な人へ
文化祭

「レディース アン ジェントルマン!」

遂に始まった文化祭

司会の大きな声で進行される美女コン


私は参加者の証のピンクのタスキを
肩からかけて舞台の上にいる

クラスの数字がそのまま番号になり
2-2の私は22番

朝から紗羅がメイクをしてくれたけど
テンションがどうしても上がらないの




ステージから降りたらすぐ
自分のクラスのブースにむかう

うちのクラスは一口ケーキの模擬店で
たこ焼きで作るホットケーキ!

紙コップに入れてトッピングして
ピックを刺すだけの簡単デザートだよ


みんなで準備していると
隣のクラスのブースにあの人が…

『ちょっとごめん!すぐ戻るからっ』

みんなにそう言ってその人の所へ

声をかけるとびっくりされたけど
話せるところまで来てくれた


『ごめんね急に
今度見かけたら話したいと思ってて』

「ううん。俺も気になってたし」

笑顔で答えてくれる彼は
終業式の日に告白してくれた人

委員会名簿で見て一宮くんて
名前なんだと後から知った




『そうだよね…急に泣いたりして
あれは一宮くんのせいじゃないから!』

ごめんなさいと頭を下げる

「いいって いいって!
つーか俺の名前覚えてくれたんだ」

『うん 後からだったけど…
謝りたかったしお礼を言いたかったの』

「お礼?」

『うん。私の事見ててくれて
思ってくれてたのがよく分かったから
ありがとうって言いたかった!

私好きな人がいてお付き合いとかは
出来ないけど…嬉しかったです』

もう一度ありがとうと言うと
彼は少し赤くなって目をそらした


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