ラブ パラドックス
「どうして?」

「は?自分で考えろ」

「わかってるよ。酔って迷惑かけるからだよね。昨日はほんとごめん。飲む量考える」


大きな大きなため息が、頭上に振ってきた。それから、バスケットボールにするみたいに、頭頂部を長い指が掴んできた。

グ、グ、と力がこもる指先。


「夏目くん。私昨日お風呂入ってないから、」

「汚ね!」


かぶせ気味の汚いに傷つく。実際汚いんだけど。


「早くシャワーして来いよ。朝飯食って昨日の続き作ろうぜ。完成するまで帰れねえ」

「続きも一緒にしてくれるんだ。助かる。じゃあ先に朝ご飯作るよ。夏目くんはパン派?ごはん派?」

「お前いつも何食ってんの?」

「フルーツグラノーラに豆乳かけてる」

「女子か」

「女子だよ。夏目くんはよくお忘れですが」

「忘れてねえよ。お前同期だけど、最近どうも女で困る」

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