ラブ パラドックス

「なあ何鍋?」

「闇鍋」

「面白くねんだよ」

「…水炊き。好き?」

「好き好き。俺日本酒持ってきたからちょうどいいな。すげえ腹減ってきた。早く終わらせよ」


真剣な表情で作業を続ける夏目くんを、チラチラ見つつ食事の準備を進める。

夏目くんも同じで、時々目が合う。


お互いアイコンタクトで、無言の会話が成立しているような空気が、私たちの間に生まれていた。


なるほど。

対面式のアイランドキッチンの良さは、こういうことか。
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