僕の星

謎の少年

 里奈はぽつんとたたずんでいる。
 律子と一緒に男の子達とカメラに納まるゆかりを、寂しい思いで見つめた。

 すぐに戻ると言いながら、ゆかりはなかなか戻って来ない。

「もういいや」

 待ちくたびれて、その場にしゃがみかけた時――

「里奈!」

 律子の声が聞こえて、里奈は顔を上げた。
 律子とゆかりが、こっちへおいでと大きく手招きをしている。

 二人の近くに立っている男の子達も、一緒になって手を振っている。
 里奈は自分の野暮な風体を自覚しているので、思わぬ誘いに困惑した。

「早く早くー!」

 律子の呼び声が大きくなる。
 里奈はリモートコントロールされるみたいにカクカクと歩き出した。

「ねえ、あの子が里奈と写真を撮りたいんだって」
 律子が後ろを指差し、その男子を教えた。

 里奈がそちらを向くと、すらりと背の高い男の子が、にこっと微笑んできた。
 随分ときれいな顔立ちをしている。

「俺は進太(しんた)っていいます。りっちゃんのメル友のそのまた友達。よろしくね」
「あ、よろしく。私は森村里奈といいます」

 ガチガチになって里奈が挨拶すると、笑い声が起こった。
 里奈は恥ずかしくなり、下を向いてしまった。
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