ポンコツ同盟

コーヒーを頼んだ2人の少し離れた席で、私はカフェラテを注文した。

「今日はね、お散歩してたら可愛いわんちゃんがいましてね、」

おばあちゃんが一方的にいろいろ話し、樋口はそうとう適当に相槌を打っている。

おばあちゃんがおしゃべりで助かった。変な間が合いたりしていない。

「慎一郎さんは、今日何か楽しいことありました?」

「楽しいこと…?ああ、お弁当が美味しかった。」

「お弁当?自分で作ってるんですか?」

「いや、笛木が。」

笛木って、おばあちゃん分かるわけないじゃんバカ樋口。

「そう、笛木さんが作ってくれるんですね。そんなに美味しいなら見てみたいです。」

おばあちゃんの順応力半端ねえ。

「そうだ、今度私お弁当作るんで、一緒にピクニックに行きましょう。」

「えー。ピクニックー?ダルい。」

はあ?くそ樋口。そこは、はいでいいだろうが!

樋口を睨みながら心の中で啖呵を切ると、通じたのか、樋口は、

「…今度ね。」

と言った。

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