ポンコツ同盟
「ごめん…進路の話も、俺の性癖の話も…どっちも引いたよな。困らせてごめん。」
「なんで謝るの!!」
思わず叫んでしまった。
「あ、いや、大きい声出してごめん。進路の話は謝るの分かるよ。もともと志望してた大学より偏差値低くて、さらに学びたくもないこと学ぼうとしてるんだから、それはごめんで合ってるわ。でも、別に匠が優人くんのこと好きでも引かないよ。優人くんが匠のこと好きでも困らないよ。どうして謝るの。匠は間違ったことしてないでしょ。人を好きになるのは謝るようなことじゃないよ。」
「姉ちゃん…」
「確かに美織の言う通りだな。別に匠と優人くんがそういう関係だろうが問題はない。性別よりももっと大事なことはたくさんある。正直、驚きはしたが、匠と優人くんが幸せなら、それが最善の選択だ。」
「父さん…」
お父さんが理解のある人で驚いた。こんなこと言うと失礼なのは分かっているが、正直、昔はLGBTなんて考えがまだ広がっていなかったし、お父さん世代の人は偏見を持っていると思っていた。でも安心した。この人がお父さんで良かった。
「ところで、優人くんは匠の進路についてなんて言っているんだ?」
お父さんがそう言うと、匠はまた黙った。