ポンコツ同盟

私は高学年だから、みんな本当の弟や妹のように慕ってくれた。兄弟がいない私はとても嬉しかった。

中でもみっきーはいつも笑顔で私の近くにいた。

みっきーこと、樋口幹生くんは不思議な子だった。泣き虫で、しょうちゃんの引っ付き虫だけど、優しくて、芯の強さを持っている子だった。

誰かがケンカをすると、間に入り仲直りをさせていたし、元気のない子がいたら、すぐに声をかけていた。ひとりで遊んでいる子を率先して仲間に入れるのも、いつもみっきーだった。人の感情の動きに敏感な子なんだろうなと思った。そして、笑ってはいけないのだが、人に感情移入しすぎて、自分のことではないのにすぐに泣いていた。強いのに泣き虫で、そのちぐはぐさが微笑ましくて、面白かった。

彼は嘘がつけない。だから真っ直ぐ言葉を投げかけてくる。彼にとっては何気ない言葉かもしれないが、落ち込んでゆく心を簡単に拾い上げてくれるのだ。

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