ポンコツ同盟

俺はせめてヒーローの手伝いだけでもしようと、女子高生が捕まえた痴漢を押さえつけた。

次の駅がたまたま家の最寄り駅だったため、女子高生たちと一緒に降りた。

ヒーローのお兄さんという男子高校生も駅にいた。ボサボサ頭の彼は、痴漢に対して全く物応じせず、まっすぐと言葉を吐き出していた。

彼もまた、ヒーローだった。ヒーローは遺伝するのか。

俺は何もしていない。少し痴漢を取り押さえる手伝いをしただけだ。

それでも今日、昨日痴漢されていた女子高生に最寄り駅で出会い、お礼をされた。律儀に待っていてくれたようだ。あのヒーローたちはともかく、俺はお礼されるようなことはしていないのに。菓子折りまで用意してくれていて、受け取らないのもかえって失礼だろうと、ありがたく受け取った。中身は男子高校生がリクエストした豆大福で、ちょっと笑ってしまった。

やっぱりヒーローにはなれなかったけど、少しでも誰かの役に立てたかなと思うと嬉しかった。

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