ポンコツ同盟

「ん?」

ブランコの男子高校生はまだ雨に打たれていた。洗濯が終わってから出てきたから、すでに1時間は経っているはずだ。

彼を横目にコンビニに向かう。

コンビニで適当に弁当を買った。今日みたいに会社帰りにご飯を買えない日もあるということも見越して、冷凍食品とカップラーメンも何個かカゴに入れた。

まあまあな量になった食品を抱え、アパートに向かう。

公園にはやっぱりまだ男子高校生がいた。関係のない、知らない男の子だが、少し気になる。雨が降っていなかったら気にもとめていなかったかもしれないが、彼は全身ずぶ濡れになっている。一体いつから公園にいるのか知らないが、そんな状態で何時間もいたら間違いなく風邪を引く。春ではあるが、まだ肌寒い。

声をかけようとそっちに歩いたが、すぐに足を止めた。一体なんと声をかければ良いのか。声をかけて不審者だと思われないだろうか。 自分みたいなおじさんが、知らない高校生に声をかけるのはアウトではないのか。いろんなことが頭を駆け巡った。

やっぱり声をかけるのはやめよう。知らない子だし、この子がどうなっても、自分には関係ない。

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