下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
車の揺れのせいなのか、気持ちが揺れているのか、頭がフラフラしてどうしようもない。


わたしは榎本くんのはずなのに。


せっかく告白してくれたのに。


なのに隣で運転する下村係長にドキドキして仕方ない。


信号待ちも、ウィンカーも、巻き込み確認も、わたしの気持ちを連れて行ってしまう。


「カナさ」


「は、はい…?」


「どーすんの?」


「先方にはきちんと謝ります」


「じゃなくて、榎本」


「どう…しましょう、か…」


「何だ?まるで他人事だな」


「告白なんて…そういうの、あんまりで…」


「自分からは大胆にするクセに?」


「あれは…!何ていうか…勢い、です…」


「ふーん。勢いでできもしねぇセックスちらつかせるんだ?」


「ちらつかせてませんっ」


「クッ…。ま、いいケド。つーかさ、カナ、自己評価、低過ぎ」


「はい?」


「男。お前狙ってるヤツ多いの、気づいてねぇの?」


「わたし、が…?」


「ミスの連発、いつも困り顔の半ベソ、守ってやりたいって男、多いらしいぞ」


「それって喜べるポイントじゃないんですけど」


「その隙、なんとかしろ」


「言われても…。わたし、残念なコだから…」


「またその顔。榎本ばかりじゃない、いつか誰かに襲われるぞ」


「まさか。わたしなんてっ」


「ま、オレが害虫駆除するけどな。さ、せせらぎ着くぞ」


車は左カーブを曲がり、右車線の小さな調剤薬局へ入る。
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