下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
車を降りた係長はいつもそうしてるのか、薬局の裏口へ回り、チャイムを押した。


「東日本薬局の下村です」


「あ、下さん。まぁ、入ってよ。お茶でも飲んでってー」


まだ来客がないのか薬局内は閑散としていて、事務の女性3人と白衣を着た男性が1人、“下さん”そう呼んだ年輩の男の人はここの責任者らしい。


応接室はないらしく、職員の休憩所となっている部屋に通されると、わたしが間違って発注をかけた行き場のない胃薬が所狭しと並べられていた。


「ま、座ってよ」


下村係長はもらった座布団をはずして畳に手をつける。


「この度はこちらの不手際で多大なご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした」


「申し訳ありませんでした」


わたしも同じように頭を下げると、薬剤師さんは「まぁ、まぁ」とただ笑っていて怒っている様子もない。


「下さんに直々に来てもらって頭下げられると、文句も言えないな」


「秋月さんにそう言ってもらえると助かります。おい、阿藤」


促されて差し出した水ようかんの箱。


「かえって気を遣わせちゃったねー」


快く受け取ってもらい、係長が麦茶をいただいてる間に、わたしはせっせと90ケース分の胃薬を車へ運ぶ。


きちんと数を確認、うん、ちゃんと90ケースある。
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