下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
新しくついたボディーソープの匂いをまとってバスタオル1枚でリビングに行くと。


「係長…?」


狭い部屋に下村係長の姿はなくて、テーブルの上にメモが1枚きり。


『カナの初めての覚悟はオレがもらった。第三指令、それを誰にもやるな』


係長がくれた3つ目の指令。


わたし…係長とおしまい…じゃ、ない…?


たった一行のメモに、安堵で腰がくだけてその場にへたり込む。


シャワーを浴びてる間には感じなかった脈が、今更ドクドクと体の感覚を支配する。


ホッとしてる反面、ほんの少し期待してた自分がいて、そんな自身に突如恥ずかしさが襲う。


榎本くんのつけてくれたキスマーク。


いつになったら消えてくれるのかな、なんて。


指でなぞりながらぼんやり思う、夏の午後。


やけにセミの鳴く音が耳についた。


短い夏が終わる頃。


わたしはどっちに染まっていくのだろう…。
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