~ただ前へ~
暗い車内。

男の人の助手席なんて初めてだから、緊張して。

何を話したらいいのか。


ドキドキだって収まってない。

先生と密室空間に二人きり。

緊張しないほうがおかしい。


先生もハンドルを握って黙ったままだ。


小高い丘にある学校から街へと下る坂道。

車内からは街の明かりがきれいに見える。

私の家は電車だと学校から40分くらい。


車だと?



「高速乗るから」

車の道はよく分からないので、

「はい」

としか答えられなかった。



< 50 / 130 >

この作品をシェア

pagetop