【短】矢田くんはヒーロー。


私がそこまで言ったところで、矢田くんの顔が更に赤くなる。


「そうだよ、俺、広瀬のこと出会う前から好きだったんだ。…一目惚れなんだよ」


「ふ…っ、」


そこで思わず、笑いがこぼれた。



「広瀬の笑った顔、すげー好き」


ふいに矢田くんが私の頬を引っ張って言う。


「いっ、いたぁ…。」



至近距離で矢田くんの顔が目の前にあって、ドキッとした。



「俺、広瀬のためにスタメンになる。…だから」


矢田くんは私の頬に手を添えて言った。



「明日の試合、見に来てほしい」


「うん…!…んっ、」



返事をした途端、唇がふわっと塞がれた。


初めてのキスは、嬉しくて、幸せで。



これ以上はなにもいらないって思えた。


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