ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】





「真緒の高校のバスケ部はOBの人が時々部活を見に来てたの。その一人が女バスにいた真弓さん。現役マネージャーの真緒は彼女と知り合いになって、よく彼女の好きな人ーー長谷川拓也の話をされてた。実は真弓さんは男バスのOBとして部活によく顔を出す拓也さんに会いに来てた。


真弓さんは高校の時から拓也さんのことが好きで、半年前に告白したの。結果フラれて、失恋を癒すためにたまたま真緒のお兄ちゃんのホストクラブに行った。


そこでお兄ちゃんのことを好きになっちゃって、キャバクラにまで行ってお金を稼いでホスト通いするようになった。そしてお兄ちゃんを指名して一緒に飲んでるとき、なつこ先生が現れてお兄ちゃんにキスをした。それでまた癒しを求めた先でも失恋。


嫉妬に狂った真弓さんは、刃物を持ってお兄ちゃんの家にまでやってきた。お兄ちゃんは留守で私がチャイムに出て、そこで真緒とお兄ちゃんがきょうだいだと真弓さんは知った。真弓さんは泣きながら真緒に訴えた。旬を渡したくないって。


そこで真緒はある計画を思い付いた。真弓さんとお兄ちゃんに既成事実を工作して、それを原因になつこ先生とお兄ちゃんを別れさせる。そして、真弓さんはいつまでも妊娠したなんて嘘を抱えきれず、不安に思うときに拓也さんを使った。


弱った時に現れた、ずっと好きだった想い人からの優しい救いの手・・・真弓さんはお兄ちゃんに真緒のことは秘密に妊娠の嘘を自白した。そして、拓也さんを選んだ。


もちろん拓也さんにはすぐにフラれるんだけどね。拓也さん真緒に好意をもっていたみたいだから、彼と寝てあげた。その代わりに、拓也さんにはお兄ちゃんと真弓さんを別れさせる理由の1つになってもらった」






俺は上田をチラリとみた。

どのくらいこいつが本気なのかは知らないが、惚れた女の黒い一面を知ってしまったわけだ。上田は苦い顔をしていた。








 

「この事・・・・あんたのお兄ちゃんと女教師が知ったらどうなると思う?」


「お兄ちゃんはなつこ先生を散々振り回したんだもん。お兄ちゃんはなつこ先生の気持ちを尊重する。でも、なつこ先生はお兄ちゃんとやり直す気になると思う?」





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