ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】
真緒は涙を流した。
それから立ち上がって、微笑んでゆっくりと話始めた。
「真緒はね・・・・お兄ちゃんがなつこ先生と結婚するのが嫌だった。私が一人ぼっちになる気がして」
・・・・一人ぼっち?
俺は静かに真緒の言葉を待った。真緒は一呼吸置いて、再び一気に喋りだした。
「実は真緒とお兄ちゃんは血が繋がってないの。真緒のお母さんと、お兄ちゃんのお父さんの子連れ二人の再婚だったから。
真緒は年が離れたお兄ちゃんと上手く打ち解けられなかったけど、ある日・・・・真緒たちの両親が交通事故でなくなった日を境に真緒たちは距離を急激に縮めた。
お兄ちゃんはお金ほしさにホストを始めた。私はお兄ちゃんのおかげで、なに不自由なく育ってきた。血は繋がってなくても、たった二人きりのきょうだいで、家族だった。
・・・・・・・・だから、お兄ちゃんがなつこ先生に婚約指輪をあげたことを知ったとき不安だった。もしも、この二人が結婚することになったら、お兄ちゃんをとられてしまう。最初は応援できていたなつこ先生の恋も、結婚するとなると別の話で応援できなくなっていったの」
真緒の立場になると、気持ちは少し分かるかもしれない。
だけど・・・・他に、方法はなかったのかが疑問ではある。
女教師を真緒があれほど傷つけたことは、許せなかった。
しかし、この問題の当事者でない俺には真緒を責める資格はない。