ラブレッスン ー女教師と恋の駆け引きー 【完】





「鈴木先生」

「はい!」

「どーでもいいです」



私は鈴木先生にニコリと微笑みを浮かべて席を立って授業へ向かった。




私は斉藤はるかをかばう生徒思いの良い先生ではなくて、毎日きっちりと働いてお金を稼ぎたいだけ。

必要とあれば生徒に干渉し、必要がなければ干渉しない。



私が先生になったのには理由がある。単純に英語が好きだということと、もう1つは安定した職であることだ。




私のお父さんは元ホストで、私が小学生の頃にはホストを辞めて、タクシーの運転手をしてみたり、建設会社で働いてみたり、仕事が長く続かずにあらゆる職を転々とした。

お父さんからしたら、ホストが一番合っていたみたいだが、ホストには寿命がある。


丸1年働かない時もあり、職を転々とするお父さんにお母さんは愛想をつかした。二人は私が高校生のときに離婚した。



私は駄目なお父さんを心配してお父さんと暮らした。私も学校が終わればアルバイトをして、それを生活費にあてた。



そんなお父さんは私が大学を卒業した頃に、再婚した。相手の人は昔のお父さんのホストでのお客さんで、建設会社の社長さんだ。お父さんは専業主婦をしている。


私はその人にお父さんを任せた。







結果的にお父さんが安定した職になかったことで、家は貧しかったし、離婚にもつながった。

つまり、私が安定を求めるのはお父さんが理由だ。


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