こんな私が、恋したみたいです。
「りっちゃん数II忘れたのー?」



「え、あー、うん」



話しかけてきたりっくん。



忘れたんじゃない。パクられたんだ。私が忘れたことにされるだけで、嫌だ。



「じゃー俺の貸してあげる!」


「いやいいよ。りっくんも次数IIでしょ?」



絶対、言ってくれると思ったけど。



まいまいと同じことなんて、できない。



「そーだけど俺寝てるだけだし!」



「いやいや」



借りないよ。絶対。もう全部無視して、教室に戻ってやる。



「そっかー」


「うん!ありがと!」



そのままなにを言われる前に、教室に戻って、教科書忘れて怒られて、見せてくれる人なんていないまま、授業を受けた。


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