こんな私が、恋したみたいです。
授業も終わり、物理現象に想いを馳せることが趣味の担任は、今日はなぜかやたらと話が長い。



部活遅れるじゃんか。そしたら、また居づらくなるじゃんか。



「それじゃあまた明日、さよーなら!」



担任以外誰も言わないさようならをした時には、部活が始まる15分前。



まずい、非常に、まずい。



一目散にカバンを背負って、教室を飛び出す。



ダッシュで行かないと。遅れてごめんなさいって、話す理由あるから、今日は仲良くできるかな?そのまま、お喋りできたら、いいのに。



「りっちゃん!」


「…ん?」



「もー遅すぎ!早くいこ!!!!」



「え、何で?」



「今日はりっちゃんが部活サボらないように待ってた!」



りっくんは、そう言って笑って、私の腕を掴む。



トクン、と心臓が跳ねた。


「行こ!」


笑いかけてくれる。



「…サボって、ないし」



だけど、何だか気に食わない。



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