こんな私が、恋したみたいです。
《りっちゃんさ、りっくんのことそんな奴だと思う?》



「…そんなやつって?」



冷静な声を聞くと、落ち着ける。



《先輩にボコられるような奴》



「思わないの?」



私は、思うよ。だって、何されてもへらへら笑ってるし、弱音とか全然吐かないし。



《思わないな。そんなこと、されるわけないよ》



意味、わかんないや。そんなに断言できる意味が。



《りっちゃんが心配するようなこと、りっくんはしないよ》



「でも、」



《りっくんから聞いた話。りっちゃんが知ってるかわかんないから秘密って言われたんだけど》



「…うん?」



話が変わった気がしたけど、でももっちはそんな人じゃないはずだから。



人がしてる心配事は、いつも付き合ってくれるから。



《りっちゃん、去年は裏で結構嫌われてたらしい。部活ね》



「…そなの」



あんまり、聞きたくない話だけど。



《悪口いう人は決まって1人。粟原さんの彼氏。粟原さんがりっちゃんに対して気に食わなかったこととか、粟原さんがやらかしたことは全部りっちゃんのせいにされてて、相当な悪者》



「…へえ」



《だけどみんな信じてたんだと》



自分の悪口聞かされるなんて、初めてかもしれない。



《それなくしたの、誰だかわかるでしょ?》



「…え、」



《嘘だよ嘘だよって言って、みんな信じさせて、りっちゃんの信頼回復できたって、このまえ喜んでた》



「…そなんだ」


< 364 / 549 >

この作品をシェア

pagetop