こんな私が、恋したみたいです。
楓先輩という背の大きな先輩と、あやのちゃんと3人で、練習をするみんなを見守っていた。
楓先輩はともかく、あやのちゃんまであやの先輩と言いなさい!とか言うんだ。
たくさん笑って、たくさん喋って。
こんなに走ったの、久しぶりかも。
終わる頃にはヘトヘトに疲れていた。
ははっと笑う2人を見ていた。
「次は、いつくるの?」
あんま無理しないでよねーと言われ、その後に、でも合宿は5連勤だからね、と念を押された。
「じゃあ、明日も」
確実に体力がなくなってるし、こんな暑い中やってらんない!とも思うけど、単純に部活が楽しかった。
「おっけ〜」
制服に着替えながら、そんな話をする。
部室じゃなくて女子トイレなんて、扱いひどすぎない?
「じゃ、また明日!」
「お疲れ様でした!」
楓先輩が、短いスカートを揺らしてそそくさと帰って行く。
「りっちゃんは、りっくんと?」
「…さぁ?」
帰ろうなんて、約束はしていない。
それに、今日は、久しぶりにたくさん見れたからもう十分。
ニコニコ笑ってじゃれあって、髪の毛は風呂上がりみたいに汗でびしょびしょになっていた。
「そっかぁ」
と、器用に洗面台に座って携帯をいじり始める。
どうしよう、帰っていいのかな、順次解散系?とあわあわ狼狽えていたら、トイレの前に人影を感じた。
「りっちゃーん!帰ろー!!」
「旦那きたじゃん」
ニヤッと笑うあやのちゃん。
「旦那って」
プロセス飛びすぎでしょ、と笑いながら、あやのちゃんにバイバイをする。
トイレの前には、すっかり髪が乾いた短髪が、カバンを背負って立っていた。