こんな私が、恋したみたいです。




楓先輩という背の大きな先輩と、あやのちゃんと3人で、練習をするみんなを見守っていた。





楓先輩はともかく、あやのちゃんまであやの先輩と言いなさい!とか言うんだ。




たくさん笑って、たくさん喋って。




こんなに走ったの、久しぶりかも。





終わる頃にはヘトヘトに疲れていた。






ははっと笑う2人を見ていた。





「次は、いつくるの?」




あんま無理しないでよねーと言われ、その後に、でも合宿は5連勤だからね、と念を押された。




「じゃあ、明日も」




確実に体力がなくなってるし、こんな暑い中やってらんない!とも思うけど、単純に部活が楽しかった。




「おっけ〜」




制服に着替えながら、そんな話をする。




部室じゃなくて女子トイレなんて、扱いひどすぎない?





「じゃ、また明日!」




「お疲れ様でした!」




楓先輩が、短いスカートを揺らしてそそくさと帰って行く。





「りっちゃんは、りっくんと?」




「…さぁ?」




帰ろうなんて、約束はしていない。




それに、今日は、久しぶりにたくさん見れたからもう十分。




ニコニコ笑ってじゃれあって、髪の毛は風呂上がりみたいに汗でびしょびしょになっていた。




「そっかぁ」




と、器用に洗面台に座って携帯をいじり始める。




どうしよう、帰っていいのかな、順次解散系?とあわあわ狼狽えていたら、トイレの前に人影を感じた。




「りっちゃーん!帰ろー!!」





「旦那きたじゃん」




ニヤッと笑うあやのちゃん。




「旦那って」




プロセス飛びすぎでしょ、と笑いながら、あやのちゃんにバイバイをする。




トイレの前には、すっかり髪が乾いた短髪が、カバンを背負って立っていた。





< 513 / 549 >

この作品をシェア

pagetop