結婚の約束をしよう
「そうなんだよな〜。」

「そうなんだよなぁって…それでいいの⁈」

「まぁ、9年も離れてたからな。」

「…ずっと、好きなんだね。」

「あぁ、こんな小さな頃からな(笑)。残念ながら、オレの片想いだけど。」

「あたしも笹野くんに片想いだけど(笑)?」


気が付いたら私は、走り出していたーーー。


そして、2人の話を聞いてしまった事を後悔していた。

後悔しながら、涙の意味もわからずに泣いたーーー…。


そして何とかして家にたどり着き、ベッドに突っ伏した私の頭の中を支配するのは、陵の言葉だった。


”結愛!大人になったら結婚するぞ!”


”オレは、結愛の事が好きなんだ。”




私は陵にメールを送ろうと、スマホを手にとった。

書いては消し、書いては消しの繰り返しーーー結局文面は出来ず、メールは送れなかった。

そもそも送りたい内容があった訳ではなかったから、文面など思いつくハズもなかった。

「…。」


明日は、私の15歳の誕生日ーーー。

”オレ、明日結愛にプロポーズするわ。”


陵ーーー…。

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