結婚の約束をしよう
「陵……。」

どこへ行っちゃったんだろう…。

駅前にさしかかり、そんな事をぼんやりと考えるーーー。

「きゃ…っ!」

突然強い風が吹いてきて、油断していた私の手から傘が離れてしまった。

車に気を付けながら慌てて傘を追いかける私の身体は、すぐに雨でびしょ濡れになっていった。


傘が、駅から来る人たちの中の1人に当たり、止まった。

「これ、君の?」

「すいません…ありがとう、ございます…。」

傘を受け取りながらお礼を言って、拾ってくれた人を見た。

どこかの学校のジャージ……普通ならもう冬休みに入っているはずだから、部活帰りか何かかな。

「その制服、北中だよね?」

「え…。」

私は、背の高いその人の顔を見上げた。

ドクンと、胸が高鳴る。

「あ……。」

石崎…先輩。

私の視界に入ってきたのは、笑顔の石崎先輩だった。

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