僕と道化(ピエロ)と君の恋
 あの位置に顔があって、僕の手は体の前にあったから……

 やっぱりあの感触はどう考えても……

 「――君!―や君!間宮!」

 「は、はい!」

 「しっかりしてくれよ!新人の前で情けない姿見せない様に!」

 「はい!」

 「じゃあ二人共自己紹介から」

 主任が促し、先に来ていた噂の美人が挨拶した。

 「はじめまして、華崎 葵(ハナサキアオイ)です。二十二歳、独身です」
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