僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「私を……そしてこの十二年間、マコトさんに想いを寄せて傷付いた人達の分まで、マコトさんは幸せになって下さいね」

 そう言って葵ちゃんは最高の笑顔で笑った。

 その笑顔が僕が目にした葵ちゃんの最後の笑顔だった。

 

 次の日出勤した僕は、華崎さんが辞めた事を告げられた。



 『葵ちゃん、約束するよ。僕はもう逃げない、ちゃんと前を向いて歩いて行くから』

 『僕』はそう心に誓った。
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