青空の下に咲いた花は…君という花でした。

たんぽぽとマネージャー



だんだん、ボールを、蹴る音が近くなって
いく。ぽーんっ、ぽーんっ。掛け声と、ボールの音。サッカー部に入れる!という、期待と楽しみと、不安が混じって、ボールの蹴る音が近くなる程、気持ちも大きくなっていく。

校庭の真ん中に着くと、みんなも、わたしと
こうちゃん先輩に気付いたみたいで、練習をぴたっと止めた。


「わ、こうすけが、なんか1年拉致って
きたぞ!」

「やばっ!だれかー警察呼べー、」

みんな楽しそうにこうちゃん先輩に話しか
ける。
きっと、普段もこんな感じで、こうちゃん先輩は、サッカー部のムードメーカー的存在なんだろうと、一目で分かった。

「そっちが警察よぶなら、こっちはせんせー
呼んで、部室に集めてある、アレやコレを、
全部見せるからな!」

「ちょっっ!コウスケそれ勘弁しろよなー!」

あははははっ。部員みんなが笑いに包ま
れている。
私もそれに続けて笑う。
こんなに楽しい雰囲気だとは思ってなかったから、すごく安心した。
そんな、緊張しなくてよかったんだね。
改めて、こうちゃん先輩が声をかけてくれて、
本当によかった、と心の中でありがとうと言った。

すると、マネージャーの先輩がぱんぱんっと、
手を叩いて、

「ほら、練習するよ!で、その一年生は、
マネージャー希望かな?」

と私に聞き、近くに来てくれた。

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