地獄の沙汰も裁判次第?
プロローグ
閻魔大王は閻魔大王として生まれてくる。
閻魔大王。それはあの世の入口である閻魔界に居、亡者を裁く立場にある王である。
必要とされるのは「直感」。閻魔大王が閻魔大王たる所以(ゆえん)は、亡者の行くべきところが一瞬にして理解できることにある。
ところが、閻魔大王は全ての亡者を裁くことができる訳ではない。
特殊な亡者がいるのだ。その亡者に関しては、得意とする「嘘を見抜く力」さえも使えない。
亡者の生前に問題があるのではなく、そういう体質の亡者がいるのである。
それが、閻魔大王というものがあの世に生まれてからずっと続く問題だった。
更に近年、少しずつ増えているのである。
そういった亡者には適当な場所を指定し、その地獄なり天国なりの人間に判断をあおぐ。亡者にしてみれば迷惑な話であるがそれ以外に最善の方法は見つからなかった。
そして新しい閻魔大王が即位した年のこと――
閻魔大王。それはあの世の入口である閻魔界に居、亡者を裁く立場にある王である。
必要とされるのは「直感」。閻魔大王が閻魔大王たる所以(ゆえん)は、亡者の行くべきところが一瞬にして理解できることにある。
ところが、閻魔大王は全ての亡者を裁くことができる訳ではない。
特殊な亡者がいるのだ。その亡者に関しては、得意とする「嘘を見抜く力」さえも使えない。
亡者の生前に問題があるのではなく、そういう体質の亡者がいるのである。
それが、閻魔大王というものがあの世に生まれてからずっと続く問題だった。
更に近年、少しずつ増えているのである。
そういった亡者には適当な場所を指定し、その地獄なり天国なりの人間に判断をあおぐ。亡者にしてみれば迷惑な話であるがそれ以外に最善の方法は見つからなかった。
そして新しい閻魔大王が即位した年のこと――