地獄の沙汰も裁判次第?
「1、2、3、4……5人か。増えてきたなぁ」
恵魔は残った亡者を指差しながら数えると、和成に向き直った。
「今、空いてるのは?」
「1級地獄の一鬼さんくらいですね。最近多いですから」
「1級でしかも一鬼はちょっと重いだろ」
「早鬼さんにやらせるよりはずっと穏便に済みますよ」
「なるほど。まあ適当に任せとくか」
言っていることはよくわからないが、亡者たちにはよくわかった。
この二人が何か恐ろしいことを言っていることくらい――
「ではみなさまあちらへどうぞー」
「嫌です!!」
「適当にって何なんですか!?」
「何かさっきの人達と扱い違くない!?」
吠える5人に、恵魔はあからさまに嫌な顔をする。
「や、ぶっちゃけアンタらの行くべきとこわかんないの。だからとりあえず地獄行ってみて?」
「「「「「はぁああああ!!?」」」」」
それとも……
恵魔は楽しそうに笑った。
「初裁判、やってみるか?」