リアルな恋は落ち着かない
(五十嵐くんに、キスされた・・・)


帰宅した私は、自室のベッドに転がって、先ほどの出来事をぽーっと思い返していた。

あまりにも突然で、一瞬で、ほとんど覚えていないけど。

26年生きてきて、生まれてはじめてしたキスは、とてつもなく私の心を大きく震わせていた。


(これは・・・どうしよう)


どうしようもなにも、どうしようもないことだけど。

驚いたとか、嬉しいとか、そんな表現じゃ言えなくて。

とにかくとてもドキドキとして、身体中が熱でとろけそうだった。


(でも・・・キスをするなんて、五十嵐くんは私の気持ちに気づいてるってことなのかな・・・)


気づいてなくても、キスってするもの?


(・・・わからないけど・・・)


彼は好きだと言ってくれた。

私は返事をしていないけど、きっと気づかれているのだと、そう思うとまた身体が溶けていくようだった。


(今度デートができた時には、私もちゃんと言わなくちゃ・・・)


好きって気持ちを、彼にきちんと伝えよう。

『似合わない』『かわいそう』って、彼女の言葉が何度もよぎってしまうけど。

「好きだ」とあの時言ってくれた。

キスをされて、ここまで胸はドキドキしている。

この想いを、閉じ込めるなんてもうできない。

だから。

五十嵐くんに気持ちを伝えて、それをわかってもらいたかった。











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