リアルな恋は落ち着かない
それからの私は、それまで以上に仕事に身が入らなくなってしまった。


(なんで五十嵐くん、阿部課長の名前をわざわざ出したりしたんだろう・・・)


ももさんにだって、内緒にしているこの想い。

当然、会社の誰にも打ち明けているはずもない。


(深い意味はないのかな。でも、あえて阿部課長のことを言うなんて・・・)


ロボット開発部には、今年入った新人の、宗田美瑠久(そうだみるく)ちゃんというまさに今時の女子がいる。

私以来、うちの部にとっては三年ぶりの女子社員。

明るい彼女はおしゃべり大好き。

そんな美瑠久ちゃんに知られたら、それはもう一瞬にして、部内はもとより社内全体に広まって大変な事態になるだろうけど。


(あえて課長の名を出した・・・)


五十嵐くんに気づかれている?まさか・・・まさかだよね。

否定したい思いで、そんな疑問を自分自身に繰り返す。

私はずっと悶々としながら、午前の仕事をなんとかこなしたのだった。







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