リアルな恋は落ち着かない
もちろん、悪人だとは思わないし、酔いつぶれた私を運んでくれたエピソードもある。

いい人なのかもしれないけれど、私はやっぱり話しにくいし、向こうからも必要以上に話しかけてきたりしない。

最近話した仕事以外の話題といえば、それこそ、不倫に対する忠告だ。


(誤解だけ解いて、できるだけ関わりたくないっていうのが、いまの正直な気持ちなんだけど・・・) 


そんなことを言ったなら、今度こそももさんに本気で怒られそうなので、心の中にしまっておくことにする。

「まあ、今日はいい機会だ。ゆっくり話をするといいぞ」

「うん・・・」


(そうだよね、こんな機会はきっと二度とないんだから)


気合いを再び入れ直し、ももさんと私は約束のお店へ二人で向かったのだった。






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