リアルな恋は落ち着かない
ももさんとの待ち合わせ場所から、移動すること徒歩5分。
飲み屋の連なる路地裏の、地下一階にある店の入り口。
五十嵐くんたちとは、この、店へ続く階段の入り口で落ち会うことになっている。
先に到着した私たちは、邪魔にならない様端っこに寄り、彼らが来るのを待っていた。
そして待つこと数分。しばらく立ち話をしていると、ももさんが「あっ」と小さな声を上げた。
「来た来た。おーい、五十嵐ー!」
そう言って、ももさんが手を振る先を見てみると、五十嵐くんの姿が見えた。
私たちに気づいた彼は、こちらに向かって会釈した。
(五十嵐くん・・・。やっぱり、目立つな)
街灯が照らす、すらりと高いスーツ姿。
路地裏の道は、行き交う人や待ち合わせの人たちでちょっと混雑してたけど、背の高い彼一人だけ、そこから浮かんでいるようだった。
「すみません、遅くなって」
「いや、私たちもついさっき来たところだ。グッドタイミングだぞ」
「そうですか。なら、良かったです」
五十嵐くんが少し笑った。
それは、会社で見る表情と、何かが違うような気がした。
チラリと私にも目を向けて、軽く会釈をする五十嵐くん。
その表情は会社のときより柔らかく、ちょっとドキリとしたけど、私は固い表情で彼に会釈を返してしまった。
「そしてこちらが友達か」
ももさんが、五十嵐くんの隣にいるメガネの男性を見上げて言う。
すると五十嵐くんは「ああ」と言って、メガネの彼を紹介した。
飲み屋の連なる路地裏の、地下一階にある店の入り口。
五十嵐くんたちとは、この、店へ続く階段の入り口で落ち会うことになっている。
先に到着した私たちは、邪魔にならない様端っこに寄り、彼らが来るのを待っていた。
そして待つこと数分。しばらく立ち話をしていると、ももさんが「あっ」と小さな声を上げた。
「来た来た。おーい、五十嵐ー!」
そう言って、ももさんが手を振る先を見てみると、五十嵐くんの姿が見えた。
私たちに気づいた彼は、こちらに向かって会釈した。
(五十嵐くん・・・。やっぱり、目立つな)
街灯が照らす、すらりと高いスーツ姿。
路地裏の道は、行き交う人や待ち合わせの人たちでちょっと混雑してたけど、背の高い彼一人だけ、そこから浮かんでいるようだった。
「すみません、遅くなって」
「いや、私たちもついさっき来たところだ。グッドタイミングだぞ」
「そうですか。なら、良かったです」
五十嵐くんが少し笑った。
それは、会社で見る表情と、何かが違うような気がした。
チラリと私にも目を向けて、軽く会釈をする五十嵐くん。
その表情は会社のときより柔らかく、ちょっとドキリとしたけど、私は固い表情で彼に会釈を返してしまった。
「そしてこちらが友達か」
ももさんが、五十嵐くんの隣にいるメガネの男性を見上げて言う。
すると五十嵐くんは「ああ」と言って、メガネの彼を紹介した。