東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
二人はそのまま、本当に幸せそうに手を繋いでサッカー場を後にした。
「毎年一組ぐらいはあるんだよね~」
まだ鼻をぐずぐず言わせながら二人の後姿を見つめる沙良先輩。
「サッカーよりも大事なんて、羨ましいです」
私も、温かくなった胸に手を置いて、ただの高校生カップルになった二人を見送る。
……と、その時
未だサッカー場で立ち尽くしているキャプテンの姿が目に入った。
少し寂しそうな瞳は何を思っているんだろう。
気が付くと、私は着替えに向かう皆の輪から抜け出して、キャプテンの隣へと駆けていた。