東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
どうしよう……言っちゃった。
この場から逃げ出したかった。
二人の顔を見ないで、この場から走り去ってしまえばもう明日からは何の接点もない私達。
それでも、足はすくんでしまい……背中を向けようとした体は何故かがっしりと捕まえられている。
その手は亮先輩では無い。
キャプテンの大きな手が、私の肩を自分の方へ向けるように捕らえていた。
顔が……全身が熱くて
恥ずかしくてどうしようもない。
「ごめんなさい、私っ!!」
その手から、逃げ出そうとしたその時
優しい声が私を包んだ。
「……先に言うなって」