【野いちご版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「まぁ煌暉先輩がいいなぁ…と思ったのも、KOHが"Lana"ちゃんに向ける表情を、私にも向けさせたいと思ったからなんだよね。私、Lanaちゃんのファンでもあるんだ」

「……………」

「また何?」

「ううん。
まっいいや。言ってもムダな気がするし、当たってみればわかるよ。一応助言はしたからね。身をもって全てを知ってこい」



そんなこんなで思い立ったら"即行動"の私は、今日の放課後にアタックすることを決めた。



<p style="text-align: center;">◇

◇</p>



「ヤバ。帰っちゃったかな…」



日直の仕事に手間取り、思わぬ時間が経っていたことに焦る。

他人からしてみれば、そんなに焦らなくても、また日を改めたら?と思うのかもしれない。

でも、"何事も早めに"をモットーとしている私にはそれが逃げる口実のように感じて……

タイミングは大事だけど、直感も大事?ハズレることも確かに多いけど……"せっかち"な性格は未だに治らない。



(あ。いた)



昇降口で、下駄箱にもたれ掛かる煌暉先輩を発見した。


下駄箱の靴を先に確認しようと思ったのが、正解だったことに笑みになる。


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