【野いちご版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「あれ?保健医(センセイ)いねぇの?ラッキー♪」



保健室のドアを開けて、

その中を覗いた煌暉くんが、そこにいるはずの保健医(センセイ)がいないことを指摘したのに…

なぜかそのまま中へと入って行く。

だから私もつながれていた手に引っ張られるかたちで、その中に入った。


直後に後ろでドアの閉まる音が聞こえると…


それと同時に、私は煌暉くんに抱きしめられた。



「あんな新たな一面見せられて……
あそこで抱きしめなかった俺を褒めて?」

『へ?』

「可愛い」

『煌暉…くん?』



私は何のことかわからなくて、それを聞こうと思い呼びかけたけど……



「これ以上は何もしねぇ。止まんなくなるし…放せなくなるから。
だから…保健医(センセイ)が戻ってくるか、予鈴がなるかのどっちかまで……腕の中にいて」



私の身体をすっぽりと包み込んでいる煌暉くんの言葉は甘くて……

それが心地よさを運んでくる。


だから自然と私の腕も、煌暉くんの背中へ回された。





(大好き)





キュッと締めつけられた甘い痛み。


それに混じって、もう一つの痛みが私を刺していたなんてことは…


まだ私は気づかない……






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