ねぇ 抱き締めて
これ以上無いくらい笑ってる乃奈の前から…あたしは走って立ち去った。






1日というのはとても短い物だ。

学校も行かず、部屋に居た。
……もう…もう…あたしのアナログ時計は、

19:36

今出れば8時までに朔の家に着くんだ。

だけど…もし朔が本当に…乃奈を抱いてたら?


吐き気がする。

そう思いだしたら…もう足は動き出していた。





8:03


朔の部屋は4階だっけ。
エレベーターなんて便利な物は無くて、階段を震える足で一段、一段上って行く。

402号室…だよね…。


「うぅ…ひくッ…...」

え…….....?



402号室の近く。
か細い泣き声が聞こえてきた。

やっぱり足は震えていて、そろそろと一歩ずつ進んだ。


「ひくッ……ぅ…うぅ」


本当は朔の部屋の中に居る人。

「乃奈!!!
ど…どしたの?!」
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