~悪魔執事とお嬢様~
みんなの言い方からして、
セーラのいっていたお帰りパーティーと
やらだろう。
ここはイギリスだ。食事中バカ騒ぎするようなフランスじゃない!
「あらためて、お帰り。シャロン。」
おばさまの声がした。
私の両方の頬におばさまが唇を近づけ、
キスをするのが伝わる。
まだ帰っていなかったのか。
私は無理矢理でも全員の顔を見ようと
手をおそるおそる離し、徐々にまぶたを
開けていった。
と、、、
「シャローーーーーーーーーーーーン!!」
ーードサッ!
いきなり誰かが飛び付いてきた。
ああ、またか。
今日で三回目だ。
そしてまた押し倒される。
恐ろしい無限ループだな。
「もう、どこにいたの?
あぁ、心配したのよ?エグッあなたのこと、
誰よりも、誰よりもーー!!」
彼女は顔を上げたと思いきや、
また私に抱きつく。
なんだろうな、
こいつのしつこさは凄まじい。
この娘の名前は
クリスティアン・エヴァンジェリン・
ナイチンゲール
(Cristian・Evangeline・nightingale)。
一応由緒ある家柄の出、のはずだ。
私の記憶が正しければ。
コレほどまでに“お嬢様”という言葉が
当てはまる人物は彼女ぐらいしかいない。
レースだらけの派手な服が好きで、
いつも詩めいた恋のお話に
花を咲かせている。
この世間知らずな娘何を隠そう私の友、
“どこかの恋する乙女”。
まるで精神病のかかっていない女版ルートヴィヒ二世だ。
「離せ……」
私がそういいかける前に、彼女はまたすぐ泣き出した。
「本当に心配したんだからぁ!!
もーう!!離さない!!離さないから!!
ヒックッ,エグッ,ウウゥグス、アーーン!!!」
な、泣きやがった。
いや、レディとして“やがった”は正しくないな。
お泣きになられた。とでも言い換えるか。
それにしてもなんだこいつは!
私が言うのもおかしいが情緒不安定か!!