窓の外は晴れ





電話が鳴ってから、2時間も過ぎた頃だった




美「おはようございます」



佐「遅い!!!!
今直ぐだって言っただろう!」



美「もー朝からうるっさい…
大きな声出さないでよぉ」



佐「もう朝と呼べるような時刻では無い!!!!」




私は事務所に入るなり突っかかってくる佐々木に苛立ちながらソファーに腰をかけた。




美「何をそんなにカリカリしてるの?」



佐「そうだ!その事を伝えたかったのにお前が直ぐに来ないからだな…」



美「もー説教はわかったから!!!!
で…なんなの?その、伝えたかった事って…」



佐「昨日の円衣裕太のラジオ…
やっぱり相当なリスナーが居たみたいで。あの番組に出れた事は瑞乃美織としても、美味しかったってわけだ」



美「…それで?」




もったいぶる佐々木に、更に苛立ちながら話の続きを催促した。




佐「そのラジオを聴いていたリスナーが、瑞乃美織とは誰か?って一気に検索ワードに上がった」



美「…え?本当に??」



佐「少しずつ、地味にだが確実に成果は出ている!それに…」



美「それに……?」



佐「さっそく明日と明後日に仕事入ったぞ!
明日は新人アーティストのPV撮影、明後日は所属しているB社の食事会があるそうだ」



美「食事会?」



佐「B社の社長も来るパーティーみたいなもんだ。
絶対に参加しろ!!
瑞乃美織という女優が在籍している事を思いっきりアピールしろ」



美「しゃ、社長も来るの?!
…でもB社を筆頭するような大女優も来るんだよね。
私…邪魔じゃない?」



佐「食事会だろうが画面の中だろうが、何処だって大女優とは共演しなきゃいけない…。
今の美織は、もう少し人脈を広げた方がいい」



美「…緊張する…」



佐「今日はこの後、明日のPV撮影の説明に向こうのマネージャーが来てザッと打ち合わせ。
その後はこの勢いに乗ってホムペをリニューアルする。ずっと放置してたブログも再開しろ」




たったこれだけの仕事なのに、凄く売れっ子女優になった気分だった




佐「今、それで満足しただろう」




美「え?」


私は思わず苦笑いした




佐「これが最終地点じゃないぞ?
ここからどんどん可能性を増やしてくんだ!
頼むから気を引き締めてくれよ」


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