あなたとホワイトウェディングを夢みて
「留美はそんな女じゃない」
てっきり『女なら俺に任せろ』とプレイボーイらしい郁未の言葉が返ってくると思い込んだ聡には意外なセリフだった。一夜限りやそう長く続かない交際相手に対し相手を思いやるセリフを郁未の口から聞いた覚えのない聡は逆に唖然とする。
「おいおい、お前らしくないセリフだな。堅物だろうが娼婦だろうが女には変わりないだろ?」
「全く違う! 女の武器を使って男に媚びを売る娼婦のような女たちと留美を一緒にするな!」
プレイボーイのセリフとは思えない郁未のセリフに絶句した聡。しばし二人の間で沈黙が続く。
「このままじゃ親父さんの思惑通り結婚させられるんだろう?」
「俺は留美をこんな風に抱きたくないだけだ」
心からそう感じている郁未は、無意識のうちにそんなセリフが出た。きっと今までの自分では考えられないセリフだと郁未は自覚する。
「お前、完全に惚れたな」
「……」
聡に言われてハッとした郁未は、目の前に薔薇の花園が広がっていく光景を思い浮かぶ。甘い薔薇の花びらに包まれる白い肌、打ち消そうとしても消えることのない留美の幻想。それどころか離れている時間が長ければ長いほど、これまでの留美の笑顔が走馬灯のように流れていく。
自分の気持ちを自覚すると右手で顔を覆ってしまった。
「悪いが話の続きなら明日にしてくれないか」
まるで恋煩いのような声の郁未。その背後に留美の存在を感じると聡は静かに電話を切っていく。『ツーツーツー』と通話の切れた音が聞こえてくると、携帯電話をソファの上へと投げ置いた郁未は、背もたれに体を預け天井を仰ぎ見た。そして、大きく深呼吸すると体を起こし寝室の方へと視線を移す。
(留美が欲しい。でも……)
本人を目の前にすると処女からバージンを奪う勇気がない。『プレイボーイ返上だな』とつぶやくとフッと笑みを零す。
(聡、お前の言うとおりだよ。俺は留美を……)
ソファから立ち上がった郁未は意を決して寝室へと向かった。
てっきり『女なら俺に任せろ』とプレイボーイらしい郁未の言葉が返ってくると思い込んだ聡には意外なセリフだった。一夜限りやそう長く続かない交際相手に対し相手を思いやるセリフを郁未の口から聞いた覚えのない聡は逆に唖然とする。
「おいおい、お前らしくないセリフだな。堅物だろうが娼婦だろうが女には変わりないだろ?」
「全く違う! 女の武器を使って男に媚びを売る娼婦のような女たちと留美を一緒にするな!」
プレイボーイのセリフとは思えない郁未のセリフに絶句した聡。しばし二人の間で沈黙が続く。
「このままじゃ親父さんの思惑通り結婚させられるんだろう?」
「俺は留美をこんな風に抱きたくないだけだ」
心からそう感じている郁未は、無意識のうちにそんなセリフが出た。きっと今までの自分では考えられないセリフだと郁未は自覚する。
「お前、完全に惚れたな」
「……」
聡に言われてハッとした郁未は、目の前に薔薇の花園が広がっていく光景を思い浮かぶ。甘い薔薇の花びらに包まれる白い肌、打ち消そうとしても消えることのない留美の幻想。それどころか離れている時間が長ければ長いほど、これまでの留美の笑顔が走馬灯のように流れていく。
自分の気持ちを自覚すると右手で顔を覆ってしまった。
「悪いが話の続きなら明日にしてくれないか」
まるで恋煩いのような声の郁未。その背後に留美の存在を感じると聡は静かに電話を切っていく。『ツーツーツー』と通話の切れた音が聞こえてくると、携帯電話をソファの上へと投げ置いた郁未は、背もたれに体を預け天井を仰ぎ見た。そして、大きく深呼吸すると体を起こし寝室の方へと視線を移す。
(留美が欲しい。でも……)
本人を目の前にすると処女からバージンを奪う勇気がない。『プレイボーイ返上だな』とつぶやくとフッと笑みを零す。
(聡、お前の言うとおりだよ。俺は留美を……)
ソファから立ち上がった郁未は意を決して寝室へと向かった。