あなたとホワイトウェディングを夢みて
一方、駐車場へ上がる階段ですれ違ったのが留美だとは気付かずに、車に乗り込んで走り去ってしまった郁未は当てもなくただ道なりに車を走らせていた。しかし、行けども行けども海岸に沿って道路が繋がっているだけ。特にめぼしい建物があるわけでもなく、テレビで紹介されるような際立って美しいビーチでもない。どこでもありそうな光景が続く一方だ。
「こんなところに留美がいるのか? そう言えば……観光案内所……」
当てもなく走るよりは、港の土産店の店員から聞いた観光案内所で留美が寄りそうな場所を教えて貰ったが手っ取り早い。これ以上は時間の無駄だと郁未は強引に車をUターンさせ港の方へと戻って行った。
郁未が観光案内所の建物の前に車を停めた時、丁度その横を歩いて通り過ぎる女性が、海辺の駐車場ですれ違った女性だと気付く。やはり帽子を深く被り、顔を見ることは叶わない。
(何度もセクハラと誤解されたくないしな。指輪も嵌めていなかったし、無理に帽子を剥ぎ取れば恐ろしい結果を招きそうだ)
砂浜で留美と思い込み赤の他人の腕をいきなり掴んだ。人違いだったと何度も詫びたが、そう簡単に相手の怒りは静まらなかった。
留美のイメージとは違う服装の女性に声をかけて、今度もまた人違いをしたらと考えると観光案内所へ行った方が安心だ。
留美会いたさに騒動になっては困る。だから、女性に声を掛けることなく観光案内所の入り口へと行く。
「こんにちは、少し尋ねたいことがありますが、よろしいですか?」
観光案内所のガラス引き戸を開けて中に入ると、開口一番そう尋ねた。
「案内」プレートの置かれたカウンターへ進み、客用パイプ椅子に腰を下ろすと腕を組みいつもの営業スマイルを振りかざす。
「島についてニ、三ほど質問したい」
「こんなところに留美がいるのか? そう言えば……観光案内所……」
当てもなく走るよりは、港の土産店の店員から聞いた観光案内所で留美が寄りそうな場所を教えて貰ったが手っ取り早い。これ以上は時間の無駄だと郁未は強引に車をUターンさせ港の方へと戻って行った。
郁未が観光案内所の建物の前に車を停めた時、丁度その横を歩いて通り過ぎる女性が、海辺の駐車場ですれ違った女性だと気付く。やはり帽子を深く被り、顔を見ることは叶わない。
(何度もセクハラと誤解されたくないしな。指輪も嵌めていなかったし、無理に帽子を剥ぎ取れば恐ろしい結果を招きそうだ)
砂浜で留美と思い込み赤の他人の腕をいきなり掴んだ。人違いだったと何度も詫びたが、そう簡単に相手の怒りは静まらなかった。
留美のイメージとは違う服装の女性に声をかけて、今度もまた人違いをしたらと考えると観光案内所へ行った方が安心だ。
留美会いたさに騒動になっては困る。だから、女性に声を掛けることなく観光案内所の入り口へと行く。
「こんにちは、少し尋ねたいことがありますが、よろしいですか?」
観光案内所のガラス引き戸を開けて中に入ると、開口一番そう尋ねた。
「案内」プレートの置かれたカウンターへ進み、客用パイプ椅子に腰を下ろすと腕を組みいつもの営業スマイルを振りかざす。
「島についてニ、三ほど質問したい」