狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「ど~こ行ってたんだよ、テメエはぁ」
「いやぁ、ちょっと…」
頭をグリグリされながらも、テヘッと笑顔で誤魔化す。
 
「ハハハ…赤野さんには、首輪でもつけとかなくちゃね?カチョー」 
平田さんはニコニコ笑顔で怖いことを言っている。

「そうだな、次はヒモでくくっとくか」
「ひぇ~~…」
やりかねん。

全く。戻った途端この扱いだ。

だけど……怒られてるのに、顔がついつい笑ってしまう。

それを見咎めた彼が、ますます怖~い顔で睨んだ。

「だいたい、お前がキー持ってるんだからな。早く行って車冷やしてこいっ‼」

「へいっ」
私はユルんだ顔をしたまま、車に向かって再び全力で駆け出した。


「?どうした大神、忘れ物か?」
「カチョー、僕ら行っちゃいますよ~」

「いや…………何でもない」

後ろを歩くカチョー達が何か話しているのが、私の耳にチラッと入ってきた。

何だろ?まあいっか。

へへへ…今日は何があっても平気だもんね~。
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