狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
日曜日。
目を覚ましたら、もう正午を過ぎていた。

寝すぎでアタマが痛い。

ノロノロと重い頭を抱えて起き上がった私は、暫くベッドの上でボーっとしていた。


………
あの朝、公園で別れてからの1週間。カラ元気の明るさで、笑い飛ばして乗りきった。

あの、スルドイ三上さんにも
“バッカじゃねえの” 
と笑ってハタかれてたくらいだから、私のポーカー・フェイスもナカナカのものだ。


しかし、ひとたび夜部屋に戻るとその反動が待っていた。
 
キョム=虚無だ。

慣れない演技にエネルギーを使い果たしてしまうのか、何もやる気が起こらない。 

ただ惰性でゴハンを食べ、オフロを沸かし、何もしないで着替えて眠る。

明日きちんと出勤できて、ただ笑って過ごせるように。それだけが今の目的だった。


大神さんも…… 
あの朝のことが夢だったみたいに、すっかり元のクール&ハードな仕事人、『ザ・大神カチョー』に戻っていた。

彼の周辺は、変わらず例のお見合いの噂で持ちきりだったが、その冷やかしさえサラリと受け流している姿に、胸が痛んだ。
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