狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「ヘェ~、一緒に暮らして………敗けた」

大神さんは本当に意外だったらしく、赤かった顔色をまっ白に変え、ガックリと肩を落とした。

失敬な!フツーそこまで驚くか⁉

言いたいのはヤマヤマだが……ガマンする。

まあ、
事実そのカレは酷く淡泊な男で、ほぼルームシェア状態だったんだか、ここはナイショにしておく。
私だって見栄くらいは張りたいもの。

「一緒に東京で就活して、2人とも決まって……私はこっちでもてっきりそうするもんだと、新居も探さず待ってたワケです。それが……」

私は半分ほどが残っていた杯をグビっと空け、ドンっ、と卓に叩きつけた。

大神さんがビクッと仰け反る。

「卒業証書をもらって、家に帰ったら彼の荷物だけが空っぽ。
別れの言葉は
『じゃあ達者でな。俺、明日からアッチだから』
たったそれだけ!」

「うわ~~、マジか」

「マジですよ。2年ですよ、2年。
なのに……怒り悲しむ暇もなく、颯爽と立ち去る背中に向かって、私はボーゼンとバイバイするしかなかったワケです…」

「ウマイことやるなあ…ソイツ」

「あ?何か言いました?」
「イヤ別に。ま、飲めや」

トクトクトク……

大神さんは、空いたグラスに継ぎ足した。
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