狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
噂に聞いたアダルトなシーンが、頭の中を駆け巡る。
意識しすぎて瞬きもできず、私は目をカッと見開いて固まっているばかり。

呼吸すらも止まりそうだ。

すると彼、クスッと笑って
「もうちょっと……力抜いたら?」

なんて普段はアリエナイ優しい顔をして言う。

「欲(悪)」のバロメーターが上昇した。
65%➡90%


ナルシスト系美男子は……
こういう場面で小鼻を広げたりはしない。ハアハアと息を荒げたりもしないし、タコさんチューの顔もしない。

その上、微笑みには媚薬効果があるらしい。

「顔、真っ赤」 

なんて愛しげに微笑みかけるもんだから。

何だか堪らなく、お腹の奥がズキズキと疼いてきた。

な、何コレ変。
身体がどんどん熱くなって……

極めつけは、
「ホント可愛いな…赤野サンは…」
などとのたまう始末。

それから彼は髪を撫でたり頬を指でなぞったり、私の上で妙なイタズラを始めた。
唇の上で、人差し指をぴたっと留めて、なぶるように柔らかさを弄ぶ。
 
ひゃああああ…

擽ったくて、何かじゅわっとしてきた。
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