七夕のキセキ~七夕から始まる恋の魔法~
「今日、お昼女の人と話してたでしょ?親しそうに…。腕引っ張られて…あれ見たとき、正直ちょっと妬いちゃった。自分で彼女じゃないとか即答しといて言うのもなんなんだけど…」と灯は言った。

くそっ、可愛いな。

少し意地悪してやるか…?

「あの人、元カノだよ。すごく仲いいんだよね」と俺は言ってやる。

灯の反応を見たくて…。

けど…灯の反応見るより、蒼の面白い反応が見れた。

「で、元カノと何話したの?」

なんてちょっとイラついて聞いてくる蒼も可愛い。

「何で?」とか言いながらも俺は楽しんでる。

「…もしかして…まだ好きだったりするの?私への気持ちは所詮同情…?」

あぁもう、ムリ。

なんてヤツだ。

「同情じゃない。弟の女に手を出すことに気が引けて…今までずっと片想いしてきた。好きだ。灯、俺と結婚してくれ」

ってヤバイ…俺何口走ってんだよ…

俺の顔は真っ赤。蒼は笑ってる。

灯を見れば灯も顔を真っ赤にしながら笑ってくれた。

「ありがとう」って。

「兄ちゃん、まだ付き合ってもないのに…それは早いだろ…」と冷静に蒼がツッコミを入れてくれて

俺の顔は更に真っ赤になった。

顔から火が出そうなほど…。

「結婚を前提にお付き合いしてくれますか?」

改めて俺は言い直した。

「はい」

最高の笑顔を見せてくれた灯。

俺はホッとした。

「よかった。これで俺もようやく安心して向こう戻れる…」と蒼は言った。

「「どーゆうこと?」」と俺と灯がキレイに重なる。

「向こうでもたくさん仕事あるの。俺は忙しい。この時期は特にね。だから来年からは呼ばないでよ?」と蒼は言った。

「…まだいれるんでしょ?」と灯が聞くと、「残念ながら…予定は終わったから…帰るよ」そう言い残して蒼は消えていった。

泣き出す灯を抱き締めながら、また俺は、いつものように、「大丈夫だよ」と声をかけるのだった。


< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop