七夕のキセキ~七夕から始まる恋の魔法~
リビングでは灯が待っていた。

いつもなら灯とすぐに話せるのに…

ナゼか今だけは躊躇してしまう。

俺と灯は蒼に促されて向かい合って座った。

一番先に口を開いたのは蒼だった。

「灯が短冊に俺に逢いたいって2年も連続で書いてくれて嬉しかった。けど、いつまでも俺を引きずらないで欲しい。兄ちゃんと灯は幸せになってもらいたし、二人ならまだ若いし恋愛も出来るだろうから…」

そう言う蒼はどこか大人びていて…俺の方が子供っぽいなぁなんて思ってしまう。

俺は決意を固めた。

「去年くらいかな…。灯のそばにいるウチに灯を好きなっていることに気がついた。
けど、灯はまだ蒼のことを好きみたいだったから正直、諦めてた。敵わない片想いでも良いって。灯が笑ってくれるなら、そばにいれるならって…」と俺は言った。

「私は…そんなの、ホントに気づけてなくて、優しくて頼れるヒロくんに甘えてた。けど、そばにいていつも励ましてくれるヒロくんと一緒にいると、笑えたし楽しかった。だからずっとそばにいて欲しいなんて思ってた。どこにもい行かないでって。けど、やっぱり蒼が忘れられないのは事実だから…蒼に申し訳ないとか思ったりもして…素直にはなれなかった。ごめんなさい」と灯は言った。

俺はその事が嬉しくてそれだけで充分だった。
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