柚時雨



 晴彦は、いつもそう言う。


 確かに、1度会っただけで

 しかも俺の一目惚れ。

 一方通行の恋。


 脈も何もない。




 初め、晴彦に『諦めろ』と言われた時

 俺はすごく嫌だった。



 『何も知らないくせに』


 そう何度も言い返したけど

 翌々考えれば

 晴彦の言う通り、諦めも肝心。

 そうなのかもしれない。




 知っているのは、名前だけ。


 学校も分からない。学年も謎。

 友達はあまり居ないらしい。


 たぶん、好きなものはしゃぼん玉。

 住んでいるところも

 何もかも詳しくは分からない。



 結局俺も、ゆい子のことを

 何も知らないんだ。





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