柚時雨




 でも、こんなに人を

 好きになったことがないから


 正直、諦めるのも嫌だし

 諦め方すらも分からない。




 確かに、俺はゆい子のこと

 何も知らない。分からない。


 だけど、それだけで

 初めてのこの気持ちを壊すのは

 違う気がする。



 何も知らなくても

 何も分からなくても




 俺は、好きなんだ。





 「俺は諦めねぇよ?」


 諦めてたまるか。



 「ふは。そう言うと思った」




 俺が晴彦を睨むと

 晴彦は、ヘラヘラと笑った。



 「奏汰朗、本気の目だもん」





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